全国“九条の会”第1回交流会参加報告
神奈川県職員九条の会 幹事 
天辰哲
2006年6月10日(土)、東京渋谷区にある日本青年館大ホールに、北海道から沖縄まで日本全国で続々と発足しつづけ、すでに5000以上を超えた各地の様々な9条の会が集いました。 神奈川県職員九条の会の出席枠は1人しかなかったので、会場に住居が一番近い私が参加させていただくことになりました。 第一部は、事務局長である小森東大教授の司会により、九条の呼びかけ人のうち6名の方が出席され、それぞれの思いを語られました。 次に、そのお話の断片ではありますが、お伝えさせていただきます。
三木睦子さん

日本は戦争のない明るい良い国になってもらいたい。世界もそうなってもらいたい。9人の仲間は、戦争の苦しさを知っている。90歳の私が言っているのだから聞いてください…。
鶴見俊輔さん

昭和のはじめの政府は「戦争は文明の母」と言った。文明についていけないもうろくした私は、戦争を起こす文明に反対する。

澤地久枝さん

戦争しない、外国へ行って殺し合ってはいけないということを、市民の力で示す必要がある。ゆるやかな形で一人ひとりまわりの人に語っていくことが大事。
加藤周一さん

今、戦争か平和かのわかれ道にきている。憲法改悪は、戦争の道を歩むことになる。中央集権ではなく、各自が行うゆるやかな連帯で改悪阻止運動をすることが必要。
小田実さん

9条1項(戦争武力行使放棄)があれば9条2項(戦力不保持、交戦権否認)を削除しても、侵略戦争はおこらないというふうに政府与党、民主党の一部は言うがとんでもない。強大な軍備を持てば、戦争するようになる。第1項だけでは歯止め不十分である。2項がある今であっても、イラクに自衛隊派遣している。ましてや2項が削除されたら美レーキがきかなくなる。
大江健三郎さん

憲法の平和の理想実現は教育にあるのに、政府、与党、民主党は、そこのことを言っていない。愛国教育を強調する。「倫理的想像力」があるとは思えない。
第二部は各地、各界の代表ということで5人が話されました。その断片は次のとおりです。
新潟:九条を守る阿賀野の会(川上寿造さん)

阿賀野は4市町合併しましたが、元町長さんや町村議員の方々も会に加わってくれて、水を得た魚のように元気に頑張ってくれています。国民投票となっても勝利したい。
千葉:小金原憲法9条の会(西宮香代子さん)

従来の護憲運動団体では憲法は守れない。広く国民に浸透していかねばならない。学習界、グッズづくりをしてひろげていっている。
沖縄:大学人九条の会沖縄(長尾ゆりさん)

9条があってもアメリカ軍基地がある。ましてや9条2項がなくなったら絶望的である。9条の理想を実現して、基地を縮小してもらいたい。
大阪:府立夕日丘高校九条の会

教職員の良心。改憲論者は、安全という一番大切なものをはき違えている。皆で集まるといろいろ意見あるが、話しあうことが大切。
神奈川県:横須賀9条の会(岸牧子さん)

呼びかけ人をふやしていく。13人が1年間で766人になった。若いお母さんや青年が頑張ってくれている。4つの地域にわけ、12ヶ所で活動している。呼びかけ人を増やしていくことにしている。
第三部は、昼食後の分散会で9つにわかれ報告がありました。
私は第9分散会で聴講させていただきました。
発言希望サークルは、40ありましたが、時間の関係で28サークルの代表ということで、俳句9条の会、宗教者9条の会、音楽家9条の会、歌声喫茶9条の会、キリスト協会9条の会、大学9条の会や各県各地域の9条の会の活動が語られ、広がりと深まりが着々と進んでいると感じました。
日本福祉大学9条の会員が、「イラク訪問したとき、イラク劣化ウラン弾被爆で脳がない子どもが生まれてしまった母親が、『日本は九条があっていいね。』と言っていました。九条がなくなれば、自衛隊は、国外で戦う。徴兵もある。次の世代にも影響が出るので責任ある。平和憲法を守らねばならない。」との発言も印象的でした。
九条の会は、思想、信条、宗教、政党にかかわりなく九条を変えるなの一点で自主的にそれそれ活動するということで、あらゆる政党支持の方も、不支持の方も参加できるという開かれた運動体であり、ますます開かれた市民大衆運動になってぢけると思いました。
私見としては、防衛は必要だが、軍拡右傾化の暴走を抑えるブレーキとなっている九条2項をすててはならないし、憲法の平和の理想を推進すべきと思うし、このことを神奈川県職員九条の会は、いよいよ身近な職場の友、OB、OGに語っていく時であると強く思ったしだいです。